はじめに
空調設備では、室内へ送る空気量をどのように制御するかによって、さまざまな方式があります。
その中でも、常に一定の風量を供給する方式が**CAV(Constant Air Volume)**です。
CAV方式は、
- オフィスビル
- 学校
- 病院
- 工場
- 商業施設
などで採用されており、シンプルで安定した空調制御が可能な方式です。
近年では、省エネルギー性能の高いVAV方式が普及していますが、一定風量が求められる場所ではCAV方式も多く使用されています。
この記事では、現場監督や設備担当者向けに、CAVの仕組み・種類・VAVとの違い・施工時の注意点についてわかりやすく解説します。
CAVとは?
CAVとは、
Constant Air Volume(コンスタント・エア・ボリューム)
の略です。
日本語では、
定風量方式
と呼ばれます。
CAVとは、室内へ送る空気量を一定に保つ空調方式のことです。
簡単にいうと、
「常に決められた量の空気を送り続ける空調制御方式」
です。
例えば、
設計風量 1,000m³/h
の場合、
室温が変化しても基本的に、
1,000m³/h
の風量を維持します。
CAVの役割
① 一定の換気量を確保する
CAV方式は、常に一定量の空気を供給できるため、換気量の管理が重要な場所に適しています。
用途例:
- 教室
- 病室
- 実験室
- クリーンルーム
など。
② 室内環境を安定させる
風量を一定にすることで、
- 空気の流れ
- 換気量
- 室内圧力
を安定させることができます。
③ シンプルな制御が可能
CAV方式はVAV方式と比較すると制御が単純です。
そのため、
- 初期費用が低い
- 保守管理が容易
というメリットがあります。
CAVの仕組み
CAV方式では、空調機から一定量の空気を送り出します。
基本的な流れは以下の通りです。
CAV制御の流れ
① AHUなどの空調機で空気を処理
↓
② 送風ファンで一定風量を送る
↓
③ ダクトを通って各部屋へ供給
↓
④ 吹出口から室内へ送風
↓
⑤ 還気・排気される
という流れです。
CAVで風量を一定にする方法
CAV方式では、以下のような方法で風量を維持します。
① 定風量装置を使用する
ダクト途中にCAVボックスを設置します。
CAVボックス内部の機構により、圧力変化があっても一定風量を維持します。
② 送風機を制御する
インバーター制御などによって送風量を調整します。
③ ダンパーで調整する
試運転時にダンパー開度を調整し、設計風量に合わせます。
CAVの構造
CAV装置は主に以下の部品で構成されています。
① ケーシング
ダクトと接続する本体部分です。
② 風量調整機構
空気量を一定に保つための部分です。
③ ダンパー
空気通路を調整します。
④ 風量センサー(機種による)
風量を測定し、制御に利用します。
⑤ 制御部
電動式の場合、風量制御を行います。
CAVの種類
CAVにはいくつかの方式があります。
① 単一ダクトCAV
最も一般的な方式です。
仕組み:
AHU
↓
一定風量送風
↓
ダクト
↓
CAV
↓
室内
という流れです。
特徴:
- 構造がシンプル
- 施工しやすい
② 再熱CAV
一度冷却した空気を、再熱コイルで温めて温度調整する方式です。
特徴:
- 温度制御が可能
- 病院などで使用
③ 排気CAV
排気量を一定に保つ方式です。
用途:
- 実験室
- クリーンルーム
- 厨房
など。
CAVとVAVの違い
CAVとよく比較される設備がVAVです。
| 項目 | CAV | VAV |
|---|---|---|
| 名称 | 定風量方式 | 可変風量方式 |
| 風量 | 一定 | 変化 |
| 省エネ性 | 低め | 高い |
| 制御 | 単純 | 複雑 |
| 初期費用 | 安い | 高い |
| 用途 | 一定換気が必要な場所 | 負荷変動が大きい建物 |
CAVが向いている場所
- 教室
- 病院
- 実験室
- クリーン環境
など。
VAVが向いている場所
- 大型オフィス
- 商業施設
- 会議室
など。
CAVとダンパーの違い
| 項目 | CAV | ダンパー |
|---|---|---|
| 目的 | 一定風量維持 | 風量調整・遮断 |
| 機能 | 自動制御 | 調整部材 |
| 設置場所 | ダクト途中 | ダクト各所 |
CAVは、風量を一定に保つための制御装置です。
CAV設置時の注意点
① 設置位置を確認する
CAVは正確な風量測定が必要です。
確認事項:
- 直管距離
- 曲がり部からの距離
- 気流の乱れ
② 風向を確認する
CAVには気流方向があります。
確認項目:
- 矢印方向
- 上流・下流
- 接続方向
③ 点検スペースを確保する
確認事項:
- 点検口
- 調整スペース
- メンテナンス性
④ ダクト接続を確認する
施工時は、
- フランジ接続
- パッキン施工
- 空気漏れ
を確認します。
⑤ 風量調整を行う
試運転では、
- 設計風量確認
- 風量測定
- ダンパー調整
を行います。
CAVの故障原因
風量が一定にならない
原因:
- 制御部故障
- ダンパー固着
- センサー異常
異音が発生する
原因:
- 風速過大
- ダクト乱流
- 部品劣化
室内環境が安定しない
原因:
- 風量設定不良
- ダクト漏れ
- 空調負荷変化
現場監督が確認すべき施工ポイント
施工管理では以下を確認します。
✅ CAV仕様確認
✅ 設置位置確認
✅ 風向確認
✅ ダクト接続確認
✅ 点検スペース確認
✅ 制御配線確認
✅ 断熱施工確認
✅ 風量測定確認
✅ 試運転確認
特に重要なのは、
「設計風量が確保されているか」
です。
まとめ
CAVとは、室内へ供給する空気量を一定に保つ定風量方式の空調制御装置です。
主な特徴は、
- 安定した風量供給
- シンプルな制御
- 換気管理に適している
ことです。
空調設備では、
AHU
↓
ダクト
↓
CAV
↓
吹出口
↓
室内
という流れで使用されます。
現場監督としては、
「設置位置」「風量確認」「ダクト接続」「試運転調整」
を管理することが重要です。
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